2.7. 淡水赤潮の防除対策 (3)赤潮回収
淡水赤潮をつくるP.bipes の細胞は30~40μmと比較的大きいため、容易に分離回収することが可能です。市販のドラム式濃縮装置と脱水装置を組み合わせた方式で、P.bipes を分離・回収できることが実証されています。
赤潮を消滅させるには赤潮生物の増殖量を超える回収量を維持する必要があります。増殖モデルから平均的な日増殖量が推定でき、これを上回る処理能力が求められます。
回収法の利点は赤潮生物を湖から回収することで、細胞内に蓄積されたダム湖起源の栄養物質も一緒に回収できることにあります。富栄養化が進んでいるダム湖では富栄養化抑制に有効な手法といえます。また回収したP.bipes を肥料や魚類養殖の餌に利用できるかもしれません。