4.2. 再生可能エネルギーの潜在量

再生可能エネルギーとして、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス発電、海洋エネルギーを利用した発電の導入予想量が検討されています。
水力発電のうち大規模水力発電所は河川生態系への影響、健全な水循環の阻害、あるいは土砂の移動を妨げるため、今後開発されることは期待できません。中小水力発電は、開発しても大きな電力を生産することは期待できません。地熱発電は有害物質(硫黄系ガス等)の排出や、温泉等との競合、あるいは地盤沈下等の問題はあり大きな電力は望めません。バイオマス発電は、発電に使用できるバイオマス量が植物等の成長による制限を受けるため、限定的な量しか発電できません。海洋エネルギー(潮流・海流発電)は莫大なポテンシャルがありますが、イニシャルコストやメンテナンスコストが膨大です。
将来火力発電所に替わることが可能な再生可能エネルギー太陽光発電風力発電に限定されます。
風力発電は莫大な潜在量を持つとされますが、騒音問題やバードストライキイング(鳥の衝突)等の環境問題があり、一定規模以上になると環境アセスメントが必要となります。このため沿岸等への設置(海洋着床方式)が進められていますが、海洋への設置は漁業との協調(合意や相互メリットの明確化)が必要となります。また津波対策等で設置費用が大きくなります。海洋浮体方式はイニシャルコストやメンテナンスコストが莫大です。
太陽光発電は風力に比べて潜在量は小さいですが、将来必要なエネルギー量を十分賄える量があります。導入予想では耕作地を計算に入れていませんが、これを加えると莫大な量となります。太陽光発電も光害(朝、夕の光の反射)や雑草の繁茂等の問題がありますが、対策コストは小さくすみます。発電量を多くするには整地された広大な土地が必要です。その点で農地での太陽光発電が適しています。また、膨大な潜在量があります。近年になり農地法が改正され、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)が可能となりました。

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再生可能エネルギーの潜在量