3.5. 海洋深層水取水によって連行される生物量

海水を大量に取水すると、取水する海水と一緒に生物の連行が起こります。発電所の場合、連行された生物は急激な温度上昇や、流れの変化によって損傷・死亡すると考えられています。

表層取水(通常の取水方式)と海洋深層水を取水した場合の生物量を比較しました。有機炭素量は生物量を炭素量であらわしたものですが、海洋深層水を取水した場合、表層水を取水した場合の0.53~50.6%となります。個体数からみると24.2~45.3%になります。種類数からみると48.4~69.7%になります。これらの結果からみると表層水取水にくらべて、海洋深層水を取水したほうが、生物の連行影響は小さいと考えられます。一方で、取水する場所によっては、深層にのみ生活する脆弱な生物群集への影響を配慮する必要もあります。

 

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海洋深層水を取水した場合の生物連行