4.11. 農地でのソーラーシェアリングによる収益性

6種類の作物について太陽光発電をおこなった場合の収益性を計算しました。計算では、太陽電池の設置による日射量の減少が作物生産量の減少になるように設定しています。生産者単価が相対的安く、収穫量の少ない作物では収益差が大きくなり農業事業者にとって有利になります。

 太陽光発電併用収益差=(太陽光発電収益+作物生産収益)-通常栽培収益

一方で、単価が相対的に高い作物や収穫量の多い作物では太陽光発電併用収益差は小さくなり、太陽光発電を併用するソーラーシェアリングの効果は小さくなります。この結果を図にすると通常栽培収益(作物の生産者単価×収穫量)が大きい作物ではソーラーシェアリングの効果が小さく、通常栽培収益の小さい作物のほうがソーラーシェアリングの効果が大きいことがわかります。最も収益性が高いのは穀物・豆類で次いで野菜類となり、果菜類はソーラーシェアリングに適していないことになります。一般的に穀物栽培は広い農地でおこなわれるため、この点からみても穀物や豆類がソーラーシェアリングに適しているといえます。
この計算には作物生産に必要な原価(費用)や太陽光発電に必要な原価は含まれていません。これらを考慮するとソーラーシェアリングによって作物生産量が低下しない方法や、逆に作物生産を増加させる方法や品質を向上させる方法を考える必要があります。

 

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ソーラーシェアリングが有効な作物の検討